畳の豆知識
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畳はどうしても年月が経つにつれて傷みます。畳のプロから見た、畳表が変色する原因やささくれの原因、畳の選び方など畳のある生活を快適に過ごしていただくための豆知識やお役立ち情報を紹介しておりますので、是非、ご覧いただき参考にしてください。
植物の葉の色が緑色なのは、葉に光合成をする葉緑素がたくさん存在し、その色が緑色だからです。葉緑素の緑の原因は光合成色素にあり、その中には青緑色のクロロフィルa・黄緑色のクロロフィルb・黄色のルチン・ビオラキサンチン橙色のカロテンが含まれております。
イ草を刈り取ってしまうと水分が遮断され、栄養分が移動しなくなり光合成が阻害されます。時間の経過とともに光合成色素の中の緑色のクロロフィルabが分解し、黄色のルチン・ビオラキサンチンや橙色のカロテンが残り次第に茶色っぽくなります。
見栄えが良いため青い畳表が好まれる傾向にありますが、行き着く色は茶色ですから新畳の時点で青ければ青いほど早く変色するのです。
葉緑素はイ草の先端部分に多く含まれ、この部分から退色が始まります。
畳表の構造上先端部分がヘリに配置されているため、ヘリぎわから退色することになります。
短い草、あるいは先端が完熟していない草ほど黒っぽく退色します。
乾燥不良・栄養不足・病気・害虫・日焼などの草の混入が原因のひとつですが、草の長さと密接な関係があります。
短い草ほどメラニン色素が含まれる年取った草が多く混入し、これが黒く変色する黒スジの原因となります。
黒スジが気になる方は、少なくとも125㎝以上の草を使用した製品をおすすめいたします。
※栽培技術によって異なります
草の長さ | 五八巾 | 本間巾 | 黒スジ草の混入率 |
---|---|---|---|
106~110cm | 2×2 | – | 100% |
110~113cm | 2×4 | – | 100% |
113~117cm | 3×6 | – | 80~100% |
117~121cm | 4×7 | 3×6 | 70~90% |
121~125cm | 6×9 | 4×7 | 50~60% |
125~130cm | 8×11 | 6×9 | 40~50% |
130~140cm | 11×14 | 8×11 | 30~40% |
135~140cm | 13×16 | 11×14 | 30~30% |
140~145cm | 15×18 | 13×16 | 10~20% |
145cm~ | 18×21 | 15×18 | 0~10% |
草の長さ | 五八巾 | 本間巾 | 黒スジ草の混入率 |
---|---|---|---|
~115cm | 等外~3等 | 3等 | 50~100% |
115~125cm | 2等~1等 | 2等~1等 | 30~50% |
125~130cm | 1等~特等 | 1等~特等 | 0~30% |
130cm~ | 特等 | 特等 | 0~10% |
高温で短期間に乾燥し、繊維が弱くなった草を使用したもの(毛先がポロポロする)。
未熟な若い草を使用したもの(柔らかく、ヘリ下に枯れがある)。
→ 【対策】袋に米ぬかを入れて拭く(汚れ防止にもなり、おすすめです)。
土砂などが付着したまま使用している。
家具などを移動させる際、あるいは掃除機をかける際に畳目に反してこすり、傷つけている。
室内を異状に乾燥させている。
→ 【対策】専用のワックスを塗る(ご相談ください)。
手のひらを上にし、爪で表皮を畳目に反して軽くこすり判断します。10回以上こすっても表皮がはげなければ問題ありません。
重量のあるもの(五八1.8kg以上、本間2.2kg以上)。
目積表=目が詰まっているので摩擦に強い。
青表=繊維が強い。
ビーグ表=表皮が厚い。